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2023 新しい景色、初公開

脱皮伊勢海老との出会い。 2008年頃のある日に、お店の水槽の水面に一尾の伊勢海老が泳いでいました。伊勢海老が浮くことはないので不思議に思い取り上げてみると、なんとそれは伊勢海老の抜け殻だったのです。(この時に初めて伊勢海老が脱皮をするという事を知る) ある日市場で、脱皮した後の柔らかい伊勢海老が偶然にも売られていました。 本来は、この柔らかい伊勢海老は、気持ちが悪いと売りものにならない商品として、店頭には並ばずに、漁師さんらで試食されていたものでした。 一度食べてみようと興味がわいて、買って帰りました。 包丁で半分に割ってみると、ミソはたっぷりと入っているし、身質はキラキラと素晴らしい艶色です。直ぐさまに美味しいに違いないと確信しました。 そして、油を使って炒めたら全部食べれるという発想を思いつきました。 身と殻を同時に食べる旨味は、今までの伊勢海老料理では味わえなかったもので未知の味でしたが、ストレートで濃厚な味わいに衝撃を覚えました。 脱皮伊勢海老が美味しく特別であるという事は分かったけれどどうしたらメニューに載せて売るだけこの素材が用意できるのか?という、困難に向き合う毎日となります。 それから数年かけて、色々と情報を集めたり、勉強して、脱皮する前に出る兆候(変化)がわかるようになりました。ここが大きなポイントで転機でした。 これから脱皮するであろう伊勢海老(脱皮予備軍)だけを集めてきて、脱皮するのを待つて収獲します。 でも、夜行性であるために夜中や朝方に脱皮する習性があって、見つけるのは至難の業(徹夜の監視が必要)でした。 脱皮を見逃して2時間もすると堅くなってしまい、丸ごと全部が食べれなくなって残念ながら価値はなくなります。 また脱皮の前や途中で死んでしまう伊勢海老をありましたから、ほんとに収獲するのは難しかったです。 でも、諦めずに、経験を積み重ねて徐々に脱皮海老を収獲出来るようになっていきました。 脱皮をしたら、成長を止めるために直ぐに活〆にして、急速冷凍機で一時保存しておきます。 高価なものですし、知名度もないからそうそうに出るものではありませんでしたが、今日までテレビでは40本以上に取り上げて頂きまして、お陰さまで全国区となってまいりました。 ファイル 2466-7.jpg ファイル 2466-8.jpg 2018年に、脱皮海老収獲用のためにお店の水槽を増設 ファイル 2466-1.jpg 2022年に脱皮伊勢海老専用建屋(40坪)を新築致しました。 こちらでは、DXを使った最新の設備(AI脱皮感知カメラ)と、最良の蓄養水槽(五木田モデル)を完備しました。 1トンダンべ 8基設置 伊勢海老最大1トン蓄養 (200グラムを5000尾) ファイル 2466-2.jpg 監視水槽 ファイル 2466-3.jpg AI脱皮感知カメラ8基 脱皮をして抜け殻の分が一尾増えると、AIが感知して、スマートフォンにアラームで知らせてくれます。 ファイル 2466-4.jpg ファイル 2466-5.jpg 監視部屋 徹夜のための仮眠所。 窓の向こうは監視水槽で、こちらからも伊勢海老を収獲できます。 ファイル 2466-6.jpg モニターによる24時間監視体制。海外旅行で離れていても、アプリを通して遠隔監視しています。脱皮をしたら、現場の者に脱皮海老を取り上げるよう指令します。 今後も更なる研究と経験を積んで、脱皮伊勢海老料理を世界に発信していきたいと考えております。どうぞ宜しくお願い致します!
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